[システム開発] 委託契約の種類

2021年2月20日

システム開発時の委託契約の種類についてです。

委託契約とは

システム開発では専門知識や技術を持った技術者が多数必要になることがあり、その人材を自社社員のみで調達するのは困難なため、他の会社に作業を依頼することがよくあります。
その業務を依頼する契約の事を委託契約といいます。

委託契約には大きく分けてSES契約派遣契約請負契約の3種類の契約方法があります。

委託契約の種類

派遣契約(はけん けいやく)

派遣契約は、労働力を提供することで対価を払うという契約です。
労働力を提供することで対価が発生するという契約のため、行っている作業の成果物に責任は負いません。 なので例え成果物が完成しなかったとしても、働いた時間分の対価(賃金)は発生します。 また、作業の指揮権限はクライアントにあるので、派遣会社の指示ではなく現場の指示に従う必要があります。

SES契約(えすいーえす けいやく)

SES契約は、System Engineering Serviceの略です。基本的に派遣契約と同じですが1点大きな違いがあり、作業の指揮権限はクライアントではなくベンダー(派遣会社)にあります。
なので、作業現場のリーダーが直接作業の指示を行うのは違法です。
(しかし実際は作業現場のリーダーが作業指示している場合が多いですが・・)

請負契約(うけおい けいやく)

請負契約は派遣契約やSES契約とは異なり、労働力に対しては対価は発生せず、成果物に対して対価を払うということが特徴です。

なので契約で求められている成果物に対して責任を負うことになり、 成果物を期限までに完成させる義務があります。 もし期限までに完成させることができなかった場合は、対価を貰えないばかりか違約金が必要になるケースもあります。

委託契約のまとめ

派遣契約、SES契約、請負契約を表にまとめると以下のようになります。

派遣契約SES契約請負契約
成果物の完成責任なしなしあり
指揮命令権クライアントベンダーベンダー
対価の発生対象作業時間作業時間成果物

請負契約はシステムを丸ごとまたは一部機能をごそっと依頼したい場合の契約、
派遣契約・SES契約はプロジェクトに作業要員を補充したい場合の契約という感じですね。

補足

  • 委託契約の発注側をクライアント、受注側をベンダーと言います。

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